『ゆり子の災難』 (作 ベスト氏)

  第5章

ソファから立ちあがると瞳は、ゆり子の背後にしゃがみ込み、右手でゆり子のパンツのジッパーを下ろすとショーツの中に手を突っ込んできた。
予想していなかった侮辱的な行為に「ムム〜〜ンン」と呻くゆり子を横目に、瞳の指先が秘部をまさぐり続けた。
そして、「女には女にしかわからないツボがあるのよねえ。ここを摘まむとどんな女でも泣いて喜ぶのよ」
そう意地悪そうに言ってツボを思いっきりつねり上げた。
身体中に電気が走り、ゆり子は10センチ位尻を浮かした。
思いっきり猿轡を噛みしばり、「ウグーグゥー!」と絶叫した
瞳は大笑いして喜んでいる。
撮影の時の上品な貴婦人とはまったくの別人の見事な性悪女である。
それから,今度も背後からゆり子のバストを着衣の上からわし掴みにする。
乱暴に揉み廻して「噂どおりの貧乳ね。あなたこれでも女のつもりなの、恥ずかしくないの。ほんとえぐれてるじゃないの!」
ゆり子の感情を逆なでするように侮蔑の言葉を投げ続ける瞳。

これはゆり子の品定めである。
上半身と下半身を、自分の指で触って確かめたのである。
言葉とは裏腹に瞳にはもちろんゆり子を殺す気など最初からまったくなかった。
初対面の時、ゆり子を見てこれは最高級の上玉だと思った。
調教すれば最高の商品になると確信している。
顔もスタイルも申し分ない。バストもまったく問題ない。小ぶりだが弾力も有り、男を喜ばせるには十分過ぎるくらいだし、本当に可愛くて知的な女だった。(本当に調教が楽しみなじゃじゃ馬だわ。)瞳は内心、ほくそえんでいた。

ゆり子はありったけの悔しさを眼に込めて、瞳を睨みつけた。
ゆり子自身、初めてのボンデージでもあり、他人からこんな仕打ちを受けたことなどもちろん無かった。
しかし、瞳の折檻は、ツボを得た女性特有の厭らしい苛めに思えた。
いたぶり方が手慣れているのだ。
捕らえられた女性が悔しそうに睨み、暴れるのを嬉しそうに含み笑いを浮かべながら折檻する。
その優雅さ。
美人の瞳の笑顔が一層折檻される女性の悔しさを増幅させる事まで計算していることがゆり子にはわかった。
一体何人の女性がこうやっていたぶられてきたのだろう。
あの失踪した女性ニュースキャスターもこの瞳にいたぶられたのだろうか。

鏡には、ゆり子のノースリーブシャツの左の上腕部にピンクのブラジャーのストラップがずり落ちてきているのが見えた。
今、自分のブラのストラップがずり落ちているのを、ベストが見たら、また鼻血を出すかもしれない。そう思った時、ベストの事を思い出した。
(そうだベストは一体どうなったの? 見えない所をみると上手く逃げ出したのかしら。もうベスト何やってんのよ!早く警察を連れてきてよ!)、そう心の中で叫んだ時だった。

そんなゆり子の心を見透かすように瞳が話しかけてきた。
「ねえ,あなた、もしかして、あの男の子が助けに来るとでも思ってるのかしら、うふふ。」
それから瞳は隣の部屋の方へ移動すると、
「ちょっとこれを見て御覧なさい!ふふ。」とドアを開けた。
部屋の奥には、真っ白のブリーフ1枚にされ、さっきまでのゆり子のようにホッグタイにされ、床に転がされているベストがいた。
口には鎖模様のブランド品のスカーフで猿轡を噛まされている。
猿轡は真ん中に結びコブが作られ、奥歯でくわえこむように、口の奥まできっちりと嵌め込まれた厳重な猿轡だ。
ベストの口元が歪むほど厳しく噛まされている。
瞳が近づくと気配を感じて、ハフハフと芋虫のようにもがいた。
笑いながら瞳はベストの太股をパンプスで蹴り上げてから尻を踏みつけて「お生憎様ね、トイレ出てきた所を後ろからぶん殴ったらイチコロだったわ。でも若い子っていいわね(笑)、縛り上げておもちゃにしてあげたら、可愛い呻き声を出して喜んでたわ。ホホホ。ねえ、この子がどうなってもいいの。この子、あなたのツバメじゃないの?」
ゆり子は眼を大きく見開いてベストを見つめて硬直している。
「可愛そうな子よねえ、あなたの事務所で働いたばっかりにこんな目にあってさ、あなたが白状しないとこの子も殺されるのよ。」
確かにそうだった。ゆり子はベストに対してすまない気持ちで、涙が出そうになっている。(自分のせいで、あの子にまで。でもネガの在りか話したらきっと2人とも絶対殺されるわ。)ゆり子は思っていた。
瞳はしゃがみ込むと,ブリーフの上から右手で膨らみを撫でだした。
ホッグタイに縛られた身体をくねらせて、ピクピク反応するベスト。
無残にも見る見るうちにブリーフにテントが脹らんで行く。
「いやだあ、この子また興奮してるわ。情けない子ね」と笑って楽しむ瞳。
「ウゥゥゥ」と悶えて声を出すベスト。
「ほらほら、もっと大きくなるでしょ?それとも、もう限界なの?じゃ、今度は小さくさせてあげようかしら。」
そう言うと、瞳はまた煙草に火を点けて、大きく紫煙を吐き出す。
その煙草の火をベストの顔近くに持ってきてから、
「さあ、これで手の指に順番に押し付けて行こうかしら?いかがかしら?坊や。」
「ムムムンンンンン」(やめてくれ〜)と大きな呻き声を上げて、ホッグタイのベストは床で悶えた。
次の瞬間、瞳は立ち上がり、黒いパンプスのつま先で、床のベストの頬を踏みつけて
「うるさい小僧ね。おとなしくしな、パンツの中身も焼ききってもいいのよ。」
と言いながら、猿轡のスカーフの上から頬をグリグリと踏みつけたのである。
ベストは結びコブを噛み締めながら、涙目になってゆり子をみつめていた。
「ねえ、まだ話す気にならないの?早く首を縦に振りなさい!」
もうこれが最後よ、とばかりに瞳がきいてくる。
ゆり子は、猿轡されたベストを見つめ返しながら、
「ムウゥゥゥ…・ムグムグムグ…・」(ごめんなさい、ベスト。でも、話したら2人とも殺されるに決まってるわ)
ゆり子は、猿轡越しにそう呻くと、今度も目を瞑り、顔を背けて拒絶した。