『独白記』  (作 ベスト氏)

  はじめに


独白記―はじめに

自分の記憶を辿ると、私はすでに幼少期の頃からテレビドラマやアニメで女性が捕らえられ縛られるシーンを見ると、胸が異常に高鳴る子供だった。
それが、特に猿轡シーンにのみ特化するように特別にドキドキ興奮するようになったのが、いつ頃からだったかは定かに記憶にない。
しかし、小学校の高学年の頃、テレビ時代劇「隠密剣士」の「松平純子」さんが竹轡されるのを見て、心臓が飛び出すほど興奮したのをはっきり憶えている為、10歳の頃にはすでに噛ませ猿轡フェチだったのだろう。
中学生の時、ドラマで被せ猿轡シーンを見ると、「何でしっかり噛ませないんだよーー!」と心の中で叫んでいたのを憶えているので、きっとこの頃から噛ませ派一本だったのだと思う。
中学から高校の頃になると、刑事ドラマやサスペンスドラマのような現代モノよりも、時代劇の中に出てくる手拭での猿轡、それも被せ猿轡ではなく噛ませ猿轡により興奮するようになっていたように思う。
たぶんそれは、現代劇の噛ませ猿轡にタオルが多く使われ、ユルユル感が多かったからだろう。
その点、時代劇の噛ませの方がより厳しくしっかり噛ませた猿轡が多かったように思う。
しかし、まだこの頃は、はみ噛ませ、それもほんのちょっと銜える程度の噛ませでもそれなりに満足していたように記憶している。

そして、中学2年生の時、友人の家で、友人の兄のSM雑誌を偶然見つけ、裸で縛られ、手拭で噛ませ猿轡を噛まされた和服の女性の写真を初めて見たときの興奮は、物凄いものだった。
世の中に「SM」という緊縛の世界があるんだと知り、それから頻繁に10km程離れた街まで自転車漕いで、本屋さんを覗きにいくようになった。
一般書店ではSM雑誌など中学生では中々見れず、主に古本屋さん中心であった。
それでも、写真入りのSM雑誌を堂々と立ち読みする勇気はやはりなかった。
しかし、当時の古本屋には「SM時代劇耽美小説」というような名前の単行本(ほとんどが昭和30年代から40年代の出版)がたくさん並べられていた。
(平成になってからは、さすがに田舎の古本屋では見かけなくなくなったが。)
ちゃんとした厚めの表装の本で、物語もしっかりしたSM時代劇小説だった。
隠密が暗躍し、くの一や芸者、お姫様や剣の達人の女剣士とか登場しては次々に捕らえられ縛られ猿轡をされるそんな物語なのである。
その小説なら本屋さんも売ってくれて、自宅でこっそり何十回も読み返しては、自分なりに物語を、頭の中で再構築していろいろなDIDシーンを夢想したものである。

そして、当時は時代劇ドラマが結構多く、ほぼ毎日のように何かしらゴールデンタイムに時代劇番組があっていた。
自分の好きなタイプの女優さんが時代劇に出演していたら、自分が夢想する内容・ストーリーで捕らえられ猿轡されないだろうか、などと毎日のように勝手にストーリーを想像し、そして、それだけで十分興奮することが出来たと記憶している。
春や秋の番組改編期になると、新番組の時代劇のレギュラー女優と役柄をチェックしては、その女優のDIDシーンを夢想する、そんな思春期だったと思う。
そんな事を考えると、私のDIDに対する原型は映像や画像以上にやはりストーリー(文章)からだと思う。
余談になるが、その頃、どうしても噛ませ猿轡シーンを見たい女優が、当時若手美人NO.1女優の松坂慶子さんだった。
私の中では、もっとも輝いていた美しい女優さんだったと思う。
特に「江戸を斬る〜梓右近隠密帖」に出てくる彼女は、若衆姿の剣の達人という役柄でとても凛々しいかった。たぶん20歳前後の年齢だったはずである。
何とか彼女が猿轡されるシーンが見たくて、いろんな時代劇に出演する彼女の番組を欠かさず追いかけたと記憶している。
でも中々彼女の猿轡シーンが見られず、この女優さんの猿轡シーンは無いのかもしれないとさえ思ったことさえあった。
そういう意味で、最初に彼女が噛ませ猿轡された「水戸黄門6部・忍びの女」で若衆姿のまま自害防止の結びコブ噛ませ猿轡を頑丈に噛まされた瞬間の興奮は、今でも鮮明に憶えている。
また、同じく猿轡の大御所・山口いづみさんも、「雑居時代」というホームドラマで彼女の大ファンになり、何とか彼女の猿轡シーンを見たいと念願していた女優さんだった。(私の中では。)
彼女が「江戸の旋風・娘ごころの秋」で最初の噛ませ猿轡(かなりユルユルでしたけど)を見せてくれた時も大興奮でした。
まさか2人がその後、食腸気味になるまで、猿轡シーンを見せてくれるとは、当時全く思いもしなかった。


脇道にそれたが、私は文章が脳に入り、自分好みのタイプの女性や好きなストーリー、そして台詞廻しに変化させてから楽しむ構造になっているように思う。
空想する女性のタイプは、時代劇小説に登場するような清楚で高貴で勝気な美人、操を守るためなら自害すら厭わないような武家娘のような女性が、やはり私のDIDの原点なのだと思うのである。

そして年を経て、二十歳になった頃、世の中にホームビデオが普及するようになると、SMビデオばかりレンタルショップから借りてきて鑑賞する青年になった。
この頃から鮮明に、手拭の真ん中に結びコブを作った噛ませ猿轡か、口を大きく割ったボール猿轡にのみ興奮するようになっていた。
口を開いた状態でしっかりと噛まされていないと、満足出来ない趣向がはっきりと自分の中に出来上がっていた。

それ以来、SMビデオのパッケージに、噛ませ猿轡の写っているものばかりこれまでにレンタルと購入を合わせると、軽く1000本以上のボンデージやSMビデオの猿轡シーンを見たと思う。
(まあ、マニアの中ではかなり少ない方だとは思うが。)
しかし、残念ながらここでも自分の趣向の深層を、グッとワシ掴みしてくれる作品とは、出会った事がないというのが本音である。
かなり高評価出来る作品もあるのだが、はっきり言ってどこか何かが物足りないのである。
画龍点睛を欠くという感じが否めないのである。
それはモデルの質であったり、物語であったり、ファッションや縛り、猿轡や撮影アングル等など。
必ず何処かが不満なのである。
「俺だったら、あとちょっとこんなシーンに撮影するのにな〜。」という部分が必ずあるのである。

それは、やはり私の趣向が特殊なのだろうか?。
私の心には,私特有のこだわりが多い為だろうか?
100%私の心を満たしてくれなかったのである。
これから書く文章は、そんな私の心の奥底に巣食う私特有の趣向・性癖とでも言うべき事について諸々書かせていただきたい。
これまで、女性にはもちろん、友人、知人、そして家人にも、もちろん話したこともない内容である。

自分がこれまでに思ってきた事、感じてきた事が、同好のマニア諸氏と比べてもやはり変わっているのかさえも実は判らないので、思いきって記述して公表してみたくなったものである。
話があっちこっちに飛び、ランダムで取り止め無く、文脈がかなり読みにくい文章だと思う。
その上、DIDに関係ない私のフェチ話や、稚拙でかなり噴飯物の下らない思い出話を書き連ねるが、文章を読まれて、一部分だけについてでも結構なので、感想をいただければ幸いである。